万が一の地盤沈下や傾きが起きたとき、地盤調査・地盤改良や保証などのサービスを十全に利用するには、
それぞれの会社の役割を理解し、責任の所在を明らかにしておくことが大切です。
住宅の地盤調査や地盤改良などを手掛けるハイスピードコーポレーション(松山市)が起こした地盤調査報告書の改ざん問題が、地元建築界に波紋を広げています。同社の2021年9月17日の発表などによると、元社員は愛媛、高知、香川の3県、計76件の地盤調査データを改ざんしていました。
場合によっては、基礎の設計や監理を担う建築士が責任を問われます。
地盤調査後のトラブルに発展、巻き込まれないよう、しっかりと地盤調査会とをチェックしておきましょう。
依頼者(建築士や建設会社)は、各会社の役割と責任の所在について理解し、透明性の高い地盤調査会社を選びましょう。
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地盤調査、地盤保証、地盤改良はそれぞれ何をするのか、それによって依頼者側は担当している会社の領域をわかりやすく解説しています。
地盤調査会社は、目では見えない地中の地盤状況をはじめ、土質の強度や物理的なデータを調査します。
現場の状況や建物の種類によって「スクリューウェイト貫入試験」や「標準貫入(ボーリング)試験」「平板載荷試験」などを行い調査報告書の作製まで手がけています。
調査報告書は住宅などの設計の「補助資料」として扱われるため、あくまで地盤調査会社は建築士による設計のための補助者とみなされます。
現地で行う原位置調査には多くの種類があり、地盤調査会社によって対応できる調査工法はさまざま。戸建住宅はもちろん、社会インフラの整備でも活躍しています。
軟弱基盤、地盤の強度を改良する必要が認められた場合、地盤改良会社が工事施工を実施します。
地盤改良工事は、比較的浅い部分を改良する面的地盤改良をはじめ、深い支持層まで改良する杭状地盤改良などがあります。
地盤改良業社は、それぞれの地盤状況に応じて、適した補強工事を実施しますが、工事を実際に行うかどうかの判断は、地盤調査会社ではなく、建築士または建設会社に委ねられています。
地盤保証制度は、地盤調査や地盤改良を行った後、建てられた建物に地盤に起因するトラブルが発生した場合、原状回復にかかる損害を保証するという制度です。
一般的な地盤保証の範囲は、建物の不同沈下と沈下に起因する建物の損害についてです。地盤保証会社はトラブルの発生を確認すれば、現状回復などの工事を施工会社に手配します。
しかし、トラブルの発生に関して、場合によっては保証が降りないケースがあります。
そのため、地盤保証会社の保証内容だけでなく、地盤調査や地盤改良に関するデータの管理方法等を事前に確認しておくことが望まれます。
Point
不正や改ざんが行われた地盤調査の報告データをもとに設計した住宅などが、建築基準法に違反している場合には、
調査当時に不正の事実を知っていた、または知らなかったに関わらず、建築士が行政処分や不法行為責任や契約不適合責任などを負うリスクがあります。
最終的に建物の基礎設計にミスがあったと認定された場合は、建築士が責任を問われます。
Point
地盤調査をはじめ、地盤保証や改良工事において依頼主が行うべきことは、各会社の役割をしっかり理解したうえで依頼すること、そして責任トラブルを防ぎ、透明性・信頼性の高い地盤調査会社を選出することです。
地盤調査は建設業界において非常に有用なものですが、仕組みを理解しておかないと、地盤調査会社の言いなりになってしまいます。必要のない地盤改良工事をする、必要のある工事をしないなどのミスを生み、最悪、地盤崩壊や地盤沈下につながってしまうことも。
そして、こうした地盤に関するトラブルが発生すれば、施主には大きな負担がかかります。
泣き寝入りをしないためにも、住宅会社やゼネコンは、高い精度・確かな管理体制で地盤調査を実施することができる地盤調査会社、地盤改良会社、地盤保証会社を選ぶべきです。
地盤調査後のデータ改ざんや調査後の保証トラブルなどを防止するための取り組みとして、第三者機関による調査データの保管や地盤保証制度のサービスがあります。見積もりを依頼する前に、公平・公正なサービスを行っている会社かどうかもチェックしておきましょう。
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How to prevent
地盤調査や地盤改良工事を実施したにも関わらず、万が一、地盤に起因する事故が発生すると、その責任を巡ってさらなるトラブルが起こり得ます。
ここでは、トラブルを回避するために必要な対策を解説しています。
Why need
地盤調査は法律で義務付けられているわけではありません。しかし、ひとたび地盤に関するトラブルが発生すれば、大きな被害になってしまいます。
地盤トラブルを防ぐためにも、信頼できる地盤調査会社に調査を依頼することが重要です。信頼性の高い会社を見極める方法や、調査会社のサービスについても、わかりやすく解説します。
knowledge
建物を建てたあと、液状化や沈下といったリスクをできるだけ抑えるためには、念入りな地盤調査を行わなければなりません。ここでは建物を建てる前に行っておくべき地盤調査についておさえておきたい基礎知識を紹介しています。
地盤調査では、専門的なマシンなどを使用しながら構造物や施設物といったものの基礎部分の強度を調べていきます。ボーリング調査のほか、SWS試験、平板載荷試験などの方法が代表的です。
地盤調査を行うことにより、その地盤はどの程度の重さにまでならば耐えられるのかが判断できます。地盤が弱いことがわかった場合、そのまま建物を建ててしまうと危険です。
地盤の状態に合わせた形で地盤改良工事を行うことについても検討しなければなりません。
地盤調査の結果、軟弱層があることがわかった場合に行われるのが、地盤改良の工事です。地盤改良工事では、地盤の強度を向上させ、建物などを立てられる状態にしていきます。
いくつか方法はありますが、浅い部分のみ改良が必要な場合は、表層改良工法が行われるのが一般的です。他にも地盤にコンクリートの柱を何本も注入する柱状改良工法、小口径鋼管を地盤に打設して地中から建物を支える小口径鋼管杭工法などが行われることになります。
地盤調査をするにあたって、気になるのはかかる時間と費用です。どちらもあらかじめ余裕を持って確保しておくのが理想ですが、あらかじめ時間と費用の相場を知っておくと、焦らず地盤調査に取り掛かれるでしょう。地盤調査にはボーリング調査・SWS試験・平板載荷試験の3つの方法があります。実際にどれぐらいの時間と費用がかかるのかをチェックしておきましょう。
地盤調査をしたのち、改良を必要とする土地だとわかったら「地盤改良」を行います。地盤改良は、当然建物を建てる前に行わなくてはならないため、地盤改良が必要であるかわからない状態であっても、改良はするものだと思ってスケジュールを組んでおく必要があります。
地盤改良の方法は主に3つありますが、一般的な住宅なら長くて1週間程度、早くて1日で改良が終わります。また費用も業者によって異なりますが、安くて80万円、高くて250万円程度が相場です。より詳しく地盤改良にかかる時間と費用を見ていきましょう。
地盤調査や地盤改良は建物を建てる前に、当たり前のように行われています。しかし、地盤調査をするとなると時間も費用もかかってしまうため、見た目は特に問題なさそうな土地だと、必要性をあまり感じない人もいるでしょう。ここでは地盤調査の必要性と調査方法別のメリットを見ていきます。
地盤改良は、地盤調査で軟弱な地盤であるという結果が出た場合、建物を支えられる強さの地盤を作るために行われます。地盤改良には3つの工事方法があり、それぞれメリットが異なります。また対応している土地も工事方法によって違うため、適した工法を選ぶ必要があります。実際にそれぞれの工事方法にどのようなメリットがあるのかチェックしましょう。
地盤調査はできるだけ天候の良い日に行いたいものですが、雨の日でもできないわけではありません。しかし雨によって正しい測定ができない、事故の発生率が高まるという問題点もあるため、できるだけ晴れの日の調査がおすすめです。ここでは雨の日の地盤調査の問題点を紹介します。
地盤改良は地盤を強くするために行う工事ですが、トラブルが発生するリスクも考えなくてはいけません。トラブルの内容によってはとても大きな問題に発展する恐れがあります。ここでは地盤改良で発生しやすいトラブルの事例とその対処法を紹介します。
地盤調査報告書は、地盤調査した結果をまとめて記載したものです。家を建てる前に、そもそもどんな土地なのか、そしてどんなリスクがあるのか、どんな地盤改良を行うべきかを確かめるために、地盤改良は必要です。専門的な用語が並んでおり理解しにくい内容も多いですが、各項目のポイントを抑えて報告書をチェックしましょう。地盤調査報告書の内容に従って、地盤改良を実施します。
地盤改良は、家を建てる際に行われます。しかしどの土地にも地盤改良が必要なわけではなく、改良を行わなくても良いと判断された土地はそのまま家が建てられます。地盤調査は土地の購入後に行われるため、確実に地盤改良がいらない土地を購入する、というのは難しいです。しかし、ある程度予測はできます。土地の歴史や地名などを参考に地盤の強度を確かめておきましょう。
地盤調査は、専門業者が行います。自分で専門業者に依頼する場合は、業者の技術力をチェックしながら、不安なく任せられる業者を選びましょう。今まで実際にどれぐらいの地盤調査を行ってきたのか、実績を公開している業者も多いです。また地盤調査後は改良の必要性がある土地も多いため、改良費用に関しても余裕を持って用意しておくことをおすすめします。
地盤セカンドオピニオンとは、地盤改良のための調査データを、公平な第三者の目線で再解析するサービスのことです。改良会社と調査会社が同じ、もしくはグループ会社だった場合は、過剰な地盤改良を勧められる可能性があるため、注意しましょう。地盤セカンドオピニオンの利用で不要な地盤改良を避けられるため、改良にかける費用を減らしたいという人におすすめです。
雪が降りやすい季節・地域では、雪の日に地盤調査をしなくてはならないというケースもあります。雪の日であっても地盤調査はできますが、あまりに雪が降り積もりすぎているとき、また風が強くて雪が吹き荒れているときは調査を延期しなくてはなりません。無理に調査をすると大きな事故やトラブルにつながる恐れがあるため、あまり急がず正確に調査できる気候の日を選びましょう。
地盤調査は、建物を建てる前に行われます。地盤がしっかりとしていなければ、建物を建てることができません。建物を建てることばかりに意識がいってしまいがちですが、まずは建物を建てる基礎となる「地盤」にしっかりと目を向けましょう。地盤調査が完了するまでの流れを把握しておくと、余裕を持って建築に取り組めます。
地盤調査を行う際、地鎮祭との兼ね合いでどのようなスケジュールで進めるべきか迷うものです。地盤調査のみ先に行い、地鎮祭を終えてから地盤改良を行うという流れが理想的です。地鎮祭の必要性や手配の方法などを踏まえてチェックしておくと、スムーズに家づくりが始められるでしょう。
地盤調査で粘性土であるという結果が出たら、地盤改良が必要です。粘性土がどれほどあるのか、そしてどのあたりにあるのかによっても適した改良方法は異なります。まずは信頼できる業者に地盤調査を依頼し、より詳しい地盤の状態をチェックしましょう。
砂質土で軟弱地盤と判断された場合は、地震などで液状化現象が起こる恐れがあります。しっかりと改良を行い、地震にも強く問題のない地盤であれば不安なく建築物が建てられます。まずは調査結果を確認し、適した改良の方法を見つけましょう。
地盤調査は簡易的なものであれば、自分で行うことができます。昔の地図でどのように土地が使われてきたのか、どのようなリスクがある土地なのかをしっかりと調べ、参考にしましょう。
ポータブルコーン貫入試験とは、人力でコーンを貫入することによって貫入抵抗を求める、静的貫入試験のことです。コーン指数を計測することを目的としています。人力による貫入のため、3~5m程度の深さまでで、軟弱地盤といわれる粘性土や腐食土などに適用されます。
地盤調査におけるオランダ式二重管コーン貫入試験の目的は、土の柔らかさや土の締まり具合、土層の構成を判定することです。試験を行うことで、コーン指数qc(kN/m2)が求められるでしょう。圧力装置を用いて貫入させるため、人力では貫入できない土地にも適しています。
地盤調査は、間取りを決定してから地耐力を確かめるために行います。そのため地盤調査後の間取り変更は基本的にNGですが、場合によっては変更ができるケースも。ただし地盤調査がやり直しとなることが多いため、追加費用が発生する可能性も高いです。まずは地盤調査後に間取り変更が可能か、そして追加費用は発生するかどうか、確認してみましょう。
地盤調査をする際、雑草があっても可能ではありますが、あまりに雑草が多い場合は「草を刈ってからじゃないと調査ができない」と言われてしまう恐れがあります。土地の状態をチェックするためにも、地盤調査前に草刈りをしておきましょう。
地盤調査の歴史は古く、明治時代までさかのぼります。明治時代は鉱山開発などを目的としてきましたが、時代によって目的や用途を変え、今まで地盤調査は行われてきました。土地がどのような状態であるかを確かめるために必要な調査として、家を建てる前にもしっかりと地盤調査を行いましょう。
地田んぼを埋め立てた土地に家を建てる場合は、地盤調査が必要です。地盤が軟弱である可能性が高く、調査をしないまま家を建てると地盤沈下や液状化といった問題が発生することも考えられます。地盤調査を行って適した改良工事を行えば、宅地として家を建てても問題ないでしょう。
畑を埋め立てた土地に家を建てたいというときは、まず地盤調査を行いましょう。畑として利用されてきた歴史のある土地は、土が水分を含んでおり地盤が柔らかくなっている傾向があります。地盤調査を行い、適した改良工事を行えば、宅地として問題なく利用できる土地に変わるでしょう。
井戸掘り工事を行う場合は、地下がどのような状態であるかをチェックするために、地盤調査を実施しましょう。地盤調査をすることで、井戸を掘るのに適した場所であるかどうか、どのような工事で井戸掘りをするべきかがわかります。地盤調査をしておくと、よりスムーズな井戸工事が行えるでしょう。
雑種地は、法律で定められた23種類の地目の一つで、特別なカテゴリーに入らない土地のことです。雑種地に家を建てるときは「宅地」の区分に変更する手続きと、土地の安全性をチェックする地盤調査が必要です。地盤調査は、土地がしっかりしているかを見る大切な作業で、場所によっては特別な許可がいることもあるので注意が必要です。
お墓建設の際の地盤調査は、長期的に安定させるための重要なステップです。地盤調査を行うことで、お墓が建つ土地の安定性や、将来にわたる持続の可能性が明らかになります。地盤が弱いと不同沈下や傾斜といった問題が発生し、お墓の長期的な維持や見栄えに影響を及ぼすことがあります。特に、地形が複雑な場所やほかのお墓に影響が見られる場所では、地盤調査が必要といえるでしょう。
山林の地盤調査は、土地の安全性と価値を正しく理解するために欠かせません。特に、宅地への転用や売却を考える際は、複雑な地盤の状況や予期せぬリスクに備える意味で、事前に調査を行うことが大切でしょう。山林を宅地に変更する場合は、計画の初期段階での調査、売却する際は土地の現状と可能性を明らかにし、信頼できる情報を提供する目的で、売却前に調査することが望ましいです。
地震や自然災害リスクに関する情報を提供するマップは、土地の安全性と価値を正確に評価するために重要です。マップを活用することで、地盤の強度や地質の特性、歴史的変遷のビジュアル化などが可能。土地選定、開発計画、防災対策において、有益な情報を得ることができます。地盤調査においては、これらのツールの活用を検討することが推奨されます。
駐車場の地盤調査は、安全性を保証し、長期的な利用を可能にするために極めて重要です。傾斜地や立体駐車場、埋め戻しを行うエリアで地盤調査を怠ると、地滑りや建物の沈下など、重大なリスクが高まります。これにより、将来的に大規模な修復費用、安全上の問題が発生する可能性があります。従って、計画の初期段階での地盤調査は、駐車場を安全に運用するための必須事項となります。
地盤調査と敷地調査は、新築や建物建設における重要な作業であり、それぞれ異なる目的で実施されます。地盤調査は土地の地盤が建物の重さに耐えられるか、沈下するリスクがあるかを判断するために行われ、必要に応じて地盤改良工事が行われます。
一方、敷地調査では、土地の測量、法的規制の確認、インフラの状態などを評価し、建物の設計に反映されます。これらの調査により、安全で快適な住環境を実現するための基盤が築かれます。
造成地では地盤調査が必要となることがあります。造成は盛土もしくは切土により行われますが、盛土の場合は低い部分に新たな土を足すため、地盤が軟弱である可能性があるためです。
軟弱な土地の上に住宅を建てると、地盤沈下や滑動崩落が起きて責任問題になることもあります。防ぐためには、造成地に住宅を建てる前に地盤調査を行わなければなりません。
地盤調査におけるスクリューウェイト貫入試験とは、おもりを徐々に重くしていき、ロッドが貫入するまでの様子や貫入距離を測る方法です。低コストかつ迅速に調査が行え、器具の取り扱いが容易であるため土地全体に対して連続した調査が行えるメリットがあります。
しかし同時に精度が低いこと、調査員や器具によって差異が生じやすいことなどのデメリットがあることも事実です。
標準貫入(ボーリング)試験とは、地盤調査で一般的に採用されている方法です。自由落下させたハンマーがサンプラーを貫入させる様子を観察します。
さまざまな国で採用されている調査方法で精度が高いことや、対応できる建築物が幅広いことがメリットですが、費用が高く調査期間が長くかかること、騒音が発生することなどのデメリットもあります。
表面波(レイリー波)探査試験とは、人工的に振動を起こしてレイリー波の時間差を測定することで、地盤の硬さを調査する方法です。低コストで精度が高いことや均一ではない地盤・舗装地盤でも調査可能なことなどがメリットとして挙げられますが、その反面、10m以上の深さになると精度が低くなることや取り扱い業者が少ないことなどはデメリットです。
平板載荷試験とは、重機で地盤に荷重をかけて沈下具合を測定して、地盤の強度を測る方法です。騒音や振動が少なく住宅地でも用いやすい測定方法ですが、60cm以上の深さの測定ができないことや調査した部分の地盤の状態しか分からないことがデメリットであるため、メリット・デメリットを把握したうえで使い所を決めましょう。
マンション建設にあたっては、地盤の硬さだけでなく厚みも調べるために地盤調査が行われます。一戸建てよりも重量のあるマンションでは、強度の高い地盤が必要とされるためです。マンション建設の第一ステップはボーリング調査による地盤調査であり、必要であれば建設前に地盤改良が行われます。
地盤調査におけるラムサウンディング試験とは、ハンマーを自由落下させ、先端コーンを地中に打ち込むことでN値を推測する試験方法です。コストを抑えながら標準貫入試験とほぼ同等の測定値を得られる上に液状化の判定も行えますが、土質を採取できないなどのデメリットもあります。また地中に硬い障害物があった場合は試験不可となる可能性も否めません。
弾性波探査とは地盤調査の中でも、火薬を使うため細心の注意が必要となる調査です。主な目的は地すべりの影響や速度構造・低速度帯について検出すること。割れ目が多い、風化しているなどの軟弱な層対しても調査できますが、火薬を用いることから調査に際して注意するべきポイントもあります。また地盤の状態によってはすべり面の推定が難しいことがあることも知っておきましょう。
PS検層とは地盤の状態を確認するための調査であり、地盤調査方法のひとつであるボーリング調査と併用できることが特徴です。ボーリング孔の中に受振器を設置して調査するため、一度の手間で2つの調査を行えるようになります。調査を行うと地盤の特性や状態を把握しやすくなり、地盤改良が必要であるかどうか判別するために役立つでしょう。
土地を購入する前に行う地盤調査は、売主の同意があれば実施可能です。地盤のリスクを正確に評価し、必要な地盤改良工事の費用を事前に把握できるメリットがあります。調査は、土地の過去の利用履歴を調べる、ハザードマップを参照する、及び全国地盤サーチ「GAIA」を使用しましょう。土地の安全性を確かめた上で、購入の判断が可能です。
硬質地盤の地盤調査は、建築物の安定性と安全性を確保する上で重要です。硬質地盤は自然災害への耐性が高く、液状化のリスクが低いため、建築に理想的な環境と言えます。ただし、硬質地盤でも土砂崩れや地すべりの可能性があるため、地形を考慮する必要があるのです。また、表面だけでなく地盤の深層まで状態を確認し、軟弱な層を把握することも大切です。
擁壁建設における地盤調査は、地盤沈下のリスクを極力抑え、擁壁の構造の健全性を保証するため、そして費用対効果と安全性の適切なバランスを図るために重要です。調査では、埋め戻し時の土の沈下、擁売の支持力、自然斜面の存在、擁壁の目地の状態などに注目が必要です。この記事では、擁壁における地盤調査の方法についても紹介しているため、参考にしてください。
サンプリングとは、地盤の質や安定性を調べる行為です。地盤の土質はどうか、地盤補強は必要化どうか、地震や液状化に対してどのくらい強いのかなど、サンプリングによって検証できるようになります。土質によって必要なサンプラーが異なるため、状況に応じて適切なものを選ぶ必要があります。
エコジオ方法は、自然の砕石だけを使ったエコな地盤改良工法です。地盤改良や液状化対策で導入されています。 従来の工法では汚染物質が出てしまう可能性がありますが、エコジオ方法はその心配がありません。そのため、地球環境と土地の価値両方を守ることができます。
地盤改良をする際、必ずしも周辺環境が工事に適切であるとは限りません。なかには、高さ制限があるなど工事が難しい環境もあるでしょう。そこで役立つのがエルマッドS工法です。環境を選ばず実施でき、さらに均質な強度が得られます。ここでは、エルマッドS工法についてまとめました。
地盤調査・地盤改良においても、AIの活用は進んでいます。技術者の技術を学んだAIでより精度の高い調査が行えたり、過去数年分のデータを学習させたAIによってN値とFcを推定したりする技術です。建設業界では人手不足が深刻であり、AIの活用は従業員の労働環境向上にも役立ちます。AIを活用した地盤調査についてまとめました。
地盤改良の工法の中に、「ピュアパイル工法」と呼ばれるものがあります。ピュアパイル工法は品質・強度ともに高い柱を築けること、コストを抑えやすいこと、腐植土地盤に対応できることなどから重宝されているものです。ここでは地盤改良におけるピュアパイル工法の概要や施工方法、メリットについてまとめたのでぜひ参考にしてください。
ウルトラコラム工法とは、地盤改良の工法の中でも「建築技術性能証明」を取得した工法のことです。撹拌不良が少ないことが特徴で、一般的な戸建住宅はもちろん、3階以上の小規模建築物のためにも採用されることがあります。ここではウルトラコラム工法による地盤改良について、概要やメリットなどをまとめました。
腐植土は、柔らかく縮みやすいという安定感のない土です。建築の地盤としては不適切で、調査をしてどのくらいの腐植土があるのか、また、どのような改良工事が必要なのかあきらかにする必要があります。
地盤改良の工法のひとつにwill工法と呼ばれるものがあります。リボンスクリュー型攪拌翼により、さまざまな深度、回転数、掘削角度で工事できます。コンピュータによる制御・調整、周辺環境への負担の少なさ、対応できる地盤の種類の豊富さなどのメリットがあり、非常に応用力のある工事方法です。
地盤改良工事の安全性を高めるのに採用されるのが、凍結工法です。人工的に地盤を凍らせて安定させ、安全な環境を作り出します。凍土がとけたあとは自然地盤に戻るため、環境や将来的な地盤への影響もありません。道路や水道などのインフラ工事、福島第一原子力発電所の凍土遮水壁工事にも採用されています。
地盤調査における微動探査とは、地盤に穴を開けたり振動を発したりすることなく、地盤の状態を調査できる方法のことです。地盤は常にわずかな振動を発していて、その振動を分析することにより耐震性の判断に役立ちます。調査は地面の上に測定器を置くだけで行うことができ、騒音もないため住宅密集地での地盤調査にも適しています。
地盤改良の方法のひとつであるのが「マットレス工法」です。ジオグリッドやジオテキスタイルを用いて、品質の良い土や砂、砕石を拘束することにより、地盤に高い支持力を与えます。不同沈下や液状化現象を防ぐ働きもあり、かつ大型の重機が不要であること、低コストで施工できること、工期が短期間であることなどがメリットです。
地盤改良の中には「流動化処理工法」と呼ばれる工法があります。泥水を固化材と配合して流動性を持たせ、締固めが難しい場所での地盤改良に用いられることがほとんどです。工事で発生する汚泥を種類問わず活用できること、工期が短縮されること、液状化現象の予防に効果的であることも特徴と言えます。
地盤調査において、「物理探査」という方法が採用されることがあります。物理探査には多くの種類がありますが、いずれも地面を破壊せずに地下の情報を得られることから、地球に優しい地盤調査方法として注目を集めています。また三次元構造分布を取得できること、その他の手法による調査データの正確性を高められることもメリットです。
エスミコラム工法とは軟弱地盤の上に建築する建物の支持力を高めるための工法で、「コラム体」を深さ20mにわたり形成することが特徴です。砂質土や粘性土、ロームにも対応でき、コラム体の安定性の高さと撹拌翼での混合攪拌により、均質な地盤強度向上が望めます。また環境への負荷が少ないこともメリットのひとつでしょう。
パワーブレンダー工法とは地盤改良のための施工方法であり、セメント系の固化材を地下で撹拌することにより化学的反応を促し、地盤の性質を安定させます。施工品質が高く、低コストであることが大きなメリットで、さらに狭い土地や超軟弱地盤、傾斜地に対しても地盤改良を可能とするため利用範囲が広い工法です。