家の新築工事や、建物工事の際に「地盤調査」「敷地調査」といったワードを目にしたことがあるでしょう。似たような言葉ですが、意味が異なるため理解しておく必要があります。
地盤調査は、建物の建設前に行う重要な調査で、その土地の地盤が建物の重さに耐えることができるかどうか、また、地盤沈下のリスクがあるかどうかを判断するために実施されます。
地盤が軟弱であると判断された場合、建物は沈下する恐れがあり、事故を防ぐために適切な地盤改良が必要になります。建物の設計や構造計算を行う際には、地盤の状態を正確に把握することが欠かせません。
構造計算は、建物が地震などの外部力に耐えられるか計算するために行われるもので、構造計算を行うためには、地盤調査の結果が必要となります。
地盤調査は新築はもちろん、建て替えの際にも行われます。建て替える場所によって地盤の強度が異なることがあり、地盤調査を怠ると後に取り返しのつかない事態に陥るリスクがあるからです。
地盤調査の結果、地盤が軟弱だと判断された場合、その土地の特性に合わせて地盤改良工事が行われ、堅固な建物の建設が可能になります。
敷地調査とは、その土地が建築に適しているかどうかを確認するための調査です。敷地調査によって、敷地の形状、面積、地形、地盤の状態、法的な規制など、土地に関する重要な情報を得ることができます。
まず、敷地の測量が行われ、土地の正確な大きさや形を把握します。次に、敷地が前面する道路や隣地との高低差を確認し、建物の配置や設計に影響を与える要素を評価します。
また、敷地に既存のインフラがどのように配されているかも調査されます。新しく配管や配線を引き込む必要がある場合、それに伴うコストも考慮する必要があります。さらに、敷地調査では建築基準法や都市計画法などの法的規制の確認も行います。
地盤調査は、その土地がどれだけの重さの建物に耐えられるか、また沈下するリスクがあるかどうかを調べるためのものです。地盤調査により、必要に応じて地盤改良工事を実施するかどうかが決定されます。建築計画地周辺の地盤調査データを参考にしつつも、正式な結果は調査を実施しなければ明らかになりません。
一方、敷地調査は、法的な側面に重点を置いた調査で、土地の測量、法的規制の確認、インフラの状態の確認などを行います。測量を通じて土地の正確な形状と面積を把握し、建築基準法や都市計画法などの法規制を確認します。
また、上下水道やガス、電気の配管の有無や、道路や隣地との高低差も確認し、建築計画に反映させます。敷地調査は、計画された建物が法的要件を満たしているかどうかを確認するために不可欠であり、住宅会社や専門の測量士が実施することが一般的です。
地盤調査と敷地調査は、異なる意味を持ちますが、建築において必要なプロセスです。2つの調査をしっかり行うことで、安全で法的な建築計画の策定につながります。