地盤改良をする際に、「六価クロム」と呼ばれる物質が発生することをご存知でしょうか?六価クロムはアスベストと並ぶ有害物質とされており、いまだになぜ発生するのか明らかになっていません。
しかし人体に影響がある以上、できる限り抑える必要があります。ここでは、地盤改良で発生する六価クロムについて、概要や人体への影響、溶出を抑えるための方法についてまとめました。四国にて地盤調査や地盤改良をする際に知っておきたいことであるため、ぜひ参考にしてください。
六価クロムとは特定有害物質のことです。アスベストとともに発がん性があると言われており、日本においては土壌汚染対策法で有害であるとされています。
また国際がん研究機関や米国環境保護庁でも毒性が強いとされているため、地盤改良において細心の注意を払うべきものです。
六価クロムは人体にさまざまな影響を及ぼします。がんのリスクが高まるだけでなく、皮膚症状が現れるケースも珍しくありません。
六価クロムが身近にあると健康被害のリスクが大きく、主に皮膚・呼吸器系で症状が引き起こされやすくなります。
また人体だけでなく、自然環境への悪影響も懸念されています。地下水に溶け込むと周辺環境への負荷となるため、直接的な環境汚染につながると考えられるでしょう。
地盤改良でなぜ六価クロムが発生するのか、詳しいメカニズムはまだ明らかになっていません。しかしセメントと土を混ぜるときに発生するとされています。
六価クロムの溶出を抑える方法として、まずは微生物を土壌に添加する方法があります。「ST13株」と呼ばれる微生物は自然への影響も少なく、六価クロムが溶出したとしても無害なものへと変える力を持つためです。
発生する原因が明らかではない以上、もし万が一発生してしまったとしても、無害化できるようであればより不安が少なくなるのではないでしょうか。
固化材製品の中には、六価クロム溶出低減型のものがあります。大手ハウスメーカーでも導入されており、広く出回っている製品です。
地盤改良にて発生する六価クロムは、アスベストと並ぶ特定有害物質です。接触や吸入によって、皮膚炎や肺がん、消化器系のがんリスクが高まるため、できる限り発生を抑えなければなりません。自然環境にも悪影響を及ぼします。
しかし発生原因はいまだ、明らかにはなっていません。対策をとるためには、六価クロムを無害化する微生物を土壌に添加したり、六価クロム対策固化材を指定したりするなどが必要です。
四国で地盤調査や地盤改良をするなら、地盤改良による六価クロム発生の知識も踏まえたうえで、人と自然に負担のない工事を行うようにしてください。