地盤改良法のひとつである「MITS工法」は、セメント系固化材によって、円柱状の改良体を造成する工法です。2つのシステムがあり地盤の状態に応じて選択できる点や、工期の短さ、施工コストの抑制といった利点があります。
本記事では四国で地盤調査・地盤改良を検討する際に知っておきたい「MITS工法」について特徴や留意点を解説しています。
「MITS工法」は、セメント系固化材を用いて地盤内に円柱状の改良体を形成する地盤改良技術です。スラリーの中圧噴射により固化材を添加し、強制的に土を改良します。
この工法は2つのシステムから構成されており、ひとつは中圧の水噴射によって地盤に貫入し、改良体を形成する「QSJシステム」、もうひとつは撹拌翼と中圧スラリー噴射を組み合わせて土を撹拌・混合し、改良体をつくる「CMSシステム」です。
MITS工法の主なメリットには、障害物を削孔しながら改良体を形成できる点、高い精度と品質が確保できる点、そして2種類のシステムから適切な工法を選べる柔軟性が挙げられます。QSJシステムとCMSシステムは、どちらも同じ機械構成で運用できるため、地盤の状態に応じた効率的な対応が可能です。
さらに、施工機械が軽量で低コストなうえ、工期が短い点も導入のしやすさにつながっています。実際の調査では、高圧噴射かくはん工と比べて24%のコスト削減効果が報告されています。
※参照元:長崎県土木部:【PDF】MITS(ミッツ)工法による地盤改良工について(https://www.doboku.pref.nagasaki.jp/keiji/gijutuhappyo/h17/ronbun/09.pdf)
MITS工法による地盤改良は注意点の少ない工法ですが、強いて挙げるなら、障害物の種類によっては施工に時間やコストがかかる可能性がある点が挙げられます。
また、施工時には排泥が発生するため、その処理に手間がかかることも課題とされています。
地盤改良法のひとつである「MITS工法」は、セメント系固化材を用いて円柱状の改良体を造成する工法で、「QSJシステム」と「CMSシステム」の2種類の手法から構成されています。状況に応じてシステムを使い分けることで、地盤に適した改良を実現できる点や、短期間かつ低コストで施工できる点が主なメリットです。
一方で、地盤内の障害物の種類によっては施工時間や費用が増加する可能性もあります。四国で地盤調査・地盤改良を検討する際には、MITS工法の特性を基礎知識として理解しておくことが大切です。