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地盤調査における表面波(レイリー波)探査試験とは?

表面波(レイリー波)探査試験とは、振動を起こして「レイリー波」の時間差を測定して、地盤の硬さを調査する方法です。ここでは表面波(レイリー波)探査試験の調査方法やメリット、デメリットについて解説しますので、四国で地盤調査や地盤改良を検討しているなら参考にしてください。

地盤調査における表面波(レイリー波)探査試験の方法

地盤調査における表面波(レイリー波)探査試験では、レイリー波の速度を測定して、地盤の硬さや締まり具合などを調査します。人工震源と検出器によって、次の流れに沿って測定を行います。

  1. 人工震源と検出器を直線上に配置する
  2. 人工震源でランダム加振する
  3. 表面に発生したレイリー波を検出する
  4. 検出された振動を入力する
  5. 入力された信号から計算してレイリー波の時間差を算出する
  6. データを記録する
  7. 記録されたデータを元に解析する

算出されるレイリー波の速度が遅いほど、地盤が軟らかいことを示します。また用いる人工震源は、人には感じられない程度の小さな振動しか起こさないため、危険性が低いです。

地盤調査における表面波(レイリー波)探査試験のメリット

地盤調査に表面波(レイリー波)探査試験を採用するメリットは、以下のとおりです。

  • S波の速度を測定できる
  • 15m程度の深い地盤や地盤の硬い部分でも測定できる
  • 調査にかかるコストが小さい
  • 火薬を用いない
  • 地盤を破壊しない
  • 舗装してある地盤や硬さが均一でない地盤でも調査ができる

表面波(レイリー波)探査試験には、非破壊調査が可能なため、地盤を選ばずに調査ができます。また低コストで精度の高い調査方法です。

地盤調査における表面波(レイリー波)探査試験のデメリット

表面波(レイリー波)探査試験にはメリットがある一方で、デメリットも存在します。実際に調査を実施する前に、以下のデメリットを把握しておきましょう。

  • 10m以上の深さの地盤調査には向いていない
  • 表面波(レイリー波)探査試験の知識と技能が必要である
  • 取り扱っている業者が限られる

15m程度までの調査は可能ですが、実際には10m以上の深さの地盤を調査する場合に精度が低くなります。また一般的な調査方法ではないため、取り扱っている業者が少なく、専門的な知識や技能が必要です。

まとめ

地盤調査における表面波(レイリー波)探査試験は、地面に微細な振動を起こして引き起こされる「レイリー波」の時間差を測定することにより、地盤の硬さを調査する方法です。精度が高く低コストで実施できるものの、深い部分の調査に向いておらず、取り扱っている業者が多くはありません。