地盤改良におけるW-ZERO工法について
本記事では、地盤改良におけるW-ZERO工法の概要や特徴、メリット・デメリットについて詳しく紹介します。
地盤改良におけるW-ZERO工法とは？
W-ZERO工法は、環境負荷の軽減と品質確保の両立を目的に開発された柱状改良工法の一つです。この工法では、従来の地盤改良で問題とされていた改良材の残土排出を大幅に抑えることができ、補強材（先端ピースと細径鋼管）を撤去できます。残土と補強材をゼロに近づけられるため、W-ZEROと名付けられています。
施工管理においては、施工深度や注入量などのデータをリアルタイムで確認・記録することができ、品質の確保と施工精度の向上が可能です。これにより、改良体の構築期間や施工効率の改善が期待できます。加えて、軟弱地盤の支持力増強や沈下抑制にも効果的で、住宅地やインフラ整備など、さまざまな現場で導入されています。
地盤改良におけるW-ZERO工法のメリット・デメリット
メリット
環境負荷を抑えられる
W-ZERO工法は、改良時に発生する残土が少ない点が大きなメリットです。従来の改良工法では掘削時に地中の土が地上に排出され、それを処分する必要がありました。しかしW-ZERO工法では、土を排出せずに地中に留めておくことで、産業廃棄物の発生を抑えます。
施工品質が安定している
セメント系の固化材を使用しないため、柱状改良における固化不良が起こりません。土地と補強材の力を活用し、安定した施工の品質を保ちやすい工法です。
省スペースで短期間に施工できる
W-ZERO工法は専用機械を使用するものの、比較的コンパクトな設備で施工ができるため、スペースが限られる都市部や狭い敷地にも対応可能です。さらに、残土処理が不要なため作業工程が少なくなり、結果として、全体の施工期間を抑える効果が見込まれます。
デメリット
地質条件への適応に限界あり
大きな礫や岩盤、廃材などが埋まっている地盤や傾斜している地盤などには、補強材の施工が困難になる恐れがあります。補強材の施工が不均一になると、改良効果にばらつきが生じる恐れがあるため、施工前の地盤調査と設計が重要です。
機材と技術の制約
W-ZERO工法には、専用の施工機と技術が必要です。そのため地域や業者が限定されるケースがあり、他の工法と比べて選択肢が少ないこともあります。また、初期費用が簡易な工法と比較して高くなるため、施工条件によっては費用対効果が見合わない恐れがある点もデメリットです。
まとめ
W-ZERO工法は、環境への負荷を抑えながら改良体を構築できる地盤改良技術の一つです。ただし、現場条件や対応可能な施工体制によっては制約が生じる場合があるため、導入にあたっては地盤状況やコスト、施工体制などを踏まえた十分な検討が必要です。
四国の地盤調査会社
