「深層混合処理工法」とは地盤改良法の一つで、多様な地盤に適用できるため、広く利用されています。ただし、デメリットがないわけではありません。
ここでは、四国で地盤調査・地盤改良を実施する際に知っておきたい深層混合処理工法の基礎知識について解説します。
「深層混合処理工法」は地盤改良法の一つで、「柱状改良工事」と呼ばれることもあります。その名のとおり、地盤内に柱状の改良体を形成して建物を支える方法です。
深層混合処理工法では、セメント系の固化材と水を混ぜた「セメントミルク」を地盤内で吐出させます。原地盤とセメントミルクを撹拌混合しながら掘削を進め、柱状の改良体を形成します。
深層混合処理工法は、地盤改良法の中でもコストを抑えられ、騒音や振動が少なく実施しやすい点が特徴です。鋼管杭よりも改良体を安価に作り出せることや、作業効率の良さが魅力です。
原地盤とセメントミルクを撹拌混合する施工方法は、地盤そのものを改良できます。また、表層改良よりも深い範囲での施工が可能なため、不同沈下対策として有効です。
多様な地盤に適用できることも特徴です。深層混合処理工法は支持層のない地盤にも対応でき、軟弱層が厚いケースにも適用できます。さらに、軽量な機械を使用するため、建築物が近接した状態でも施工が可能です。
深層混合処理工法は、環境への影響が懸念される地盤改良法です。土の質によっては六価クロムが溶出する場合があり、さらにセメントを混合することでヘドロが産業廃棄物として排出されます。これら2つの要素により、周辺環境が悪化する可能性があります。
土地を売却する予定がある場合、深層混合処理工法の採用は慎重に検討する必要があります。改良体が残ることで売却価格が下がる可能性があるためです。また、改良体を撤去する場合にも費用が発生します。
地盤改良法として広く採用されている深層混合処理工法は、コストを抑えられ、騒音や振動が少なく実施しやすい工法です。しかし、環境への影響や土地売却時の価格低下といったデメリットも考えられます。四国で地盤調査・地盤改良を検討する際には、メリットとデメリットの両方を十分に考慮したうえで選択する必要があります。