地盤には垂直方向と水平方向の両方から圧力が加わります。その圧力の加わり方を再現するのに適しているのが「三軸圧縮試験」です。ここでは、地盤調査における三軸圧縮試験の概要や方法を解説します。四国で地盤調査や地盤改良を検討している方は参考にしてください。
三軸圧縮試験は、土に人為的に圧力を加え、拘束した状態で力学特性を測定する試験です。土試料を圧縮する地盤調査方法はほかにもありますが、三軸圧縮試験の特徴は、上面・側面・下面の3方向から同じ力で圧力を加える点です。
この試験では、地盤の支持力や安定性、杭周辺の摩擦についてのデータが得られます。そのため、試験の目的は地盤の強度や安定性を把握することにあります。三軸圧縮試験では、3方向から圧力を加えることで地中と似た状態を再現でき、実際の地盤の状態を調査する際に有用です。
三軸圧縮試験には、主に4種類の方法があります。せん断と圧密のタイミング、せん断中の排水の可否、間隙水圧を測定するかどうかによって分類されます。方法によって適用される土質や試験の目的が異なるため、地盤の状態に応じて詳細な試験方法が選定されます。
まず、土試料を選び、トリマーに設置する作業から始めます。設置した試料は、円柱型に成形されます。
電子天秤で試料の湿潤密度を測定した後、ろ紙、水、円柱型の供試体を設置します。さらに配管や供試体の周りの空気を炭酸ガスに置き換え、供試体内の炭酸ガスを脱気水に置き換えます。
脱気水への置き換えが終わったら、供試体と管路に水を循環させるための作業を実施します。気泡を排出した後、二重負圧法で飽和状態を作り、背圧と足圧を加えます。
圧力を加えた後、測定を開始します。圧密から試験終了まで、測定は自動的に制御されます。終了条件を満たすと圧密が終了します。
最後はせん断です。軸ひずみ15%に達するとせん断が終了します。最後に供試体の状態を撮影し、試験情報と計測データを整理して試験を終了します。
地盤調査における三軸圧縮試験は、地中に近い状態で地盤の様子を観察できる試験方法です。地盤の強度や安定性を評価するために実施されます。