地盤調査における微動探査とは?

地盤調査にて採用されることのある方法のひとつとして「微動探査」があります。微動探査とは地盤の中で起きているわずかな揺れを記録して地盤の状態を知る方法です。この記事では四国で地盤調査や地盤改良を依頼する際に知っておきたい、微動探査の概要や目的、方法について解説します。

地盤調査における微動探査の概要

地盤調査における微動探査とは

微動探査とは地盤調査における方法のひとつであり、地面に大きな穴を開けたり、重機を用いたりすることなく調査できる方法です。人では感じ取れないくらいの揺れを活用して、地盤や家屋の状態を調べる方法のことを指します。

災害がなくとも地面は微振動によって常に揺れていて、地盤の振動特性が現れます。この微動を測定器で記録し、周期スペクトルを求め、地盤の卓越周期を推定するのが微動探査です。

目的

実施する目的は、地震が発生したときの揺れやすさや周期特性を知ることと、住宅の耐震性を高めるための根拠として利用することの2つです。一般的な調査よりも調査できる深度が深く、微動探査での地盤調査は深度30mほどまで調査できます。一方で一般的な調査は深度10mほどまでしか調査できず、硬い地盤に到達した場合はそこで終了です。

微動探査を行えば地盤がどれほど揺れやすいかの判別ができ、揺れの周期特性も予測できます。そのためその上に建てる住宅の耐震性を高めるための根拠として利用できることがメリットと言えます。

特徴

微動探査は土はもちろん、アスファルトやコンクリートの上からでも検査が行えることが大きな特徴です。微弱な振動を計測する調査方法であるため、地盤に穴を開ける必要はありません。また音が出ないため、住宅密集地でも周囲に迷惑をかけることなく調査が行えます。

車2台分程度の面積があれば実施可能であり、適用できる範囲が広い調査方法だと言えるでしょう。

微動探査の方法

STEP1:測定器を設置する

地盤調査を微動探査にて行うには、測定器を設置して微振動を得ることから始めます。測定器を地表面かもしくは穴の中に設置して、微振動を感じられる状態にしましょう。

STEP2:測定器で微振動を収録する

測定器を設置したら、測定機に地盤の微振動を収録しましょう。地盤内では地下で微振動が起こっていて、増幅されながら地表へと届きます。設置した測定器にて、地表面へと伝わってきた微振動を収録してください。

STEP3:微振動からスペクトル図を作成する

測定器に微振動が収録されたら、スペクトル図を作成しましょう。微動探査による地盤調査では、常時微動のスペクトルの比率を算出して比較する方法が採用されます。スペクトル比は地盤による微振動の増幅を示すものです。

STEP4:スペクトル図を比較して卓越周期をはかる

スペクトル図を作成したら、図を比較して卓越周期を計測しましょう。スペクトルの平均値とばらつきを比較して、ばらつきが多い場合は振動源がある可能性が高いと言えます。

まとめ

地盤調査では微動探査と呼ばれる方法が採用されることがあります。微動探査は地盤の中で常に起こっているわずかな振動を解析する方法であり、アスファルトやコンクリートを敷いた場所でも行えることが特徴です。穴を開けずに地面の上からでも行えるので、四国の地盤調査・地盤改良においても広く活用できる方法です。