砂質土に適した地盤改良の方法とは?

砂質土である地盤は多くあるものの、軟弱地盤であるという結果が出た地盤は改良が必要です。砂質土地盤は液状化現象が起こりやすいため、地震の際は気を付けなくてはいけません。ここでは砂質土地盤の特徴と適した地盤改良の方法を紹介します。

砂質土地盤とは

砂質土地盤は、粘性土と比べると粒子が大きい地盤で、粒子が均一である点が特徴です。透水性が高く、水はけも良い地盤なので、粘性土のように圧密沈下が起こるリスクは少ないです。一方で、地震が生じるとかみ合っていた粒子同士が外れ、液状化現象が起こりやすい、という特性もあります。砂質土の地盤で液状化が起これば、建物の傾きや沈み込みが発生してしまいます。

砂質土の場合、SWS試験での換算N値が5以下であれば軟弱地盤として改良を必要とします。河川沿いや埋め立て地、湿地や三角州などは液状化しやすい地形として知られています。地盤調査後、判定結果に基づいて地盤改良を検討しましょう。

砂質土に適した地盤改良の方法

エコジオ工法

エコジオ工法は、EGケーシングと呼ばれる専用の鋼管を使って地盤を掘削し、ケーシングから砕石を投入しながら締固めます。ケーシングで孔壁の崩壊がガードできるため、砕石を締め固める際に土砂が混ざる心配はありません。プレス円盤で仕上げに二重をかけると、砂質土のゆるみが防げるでしょう。

HySPEED工法

使用する砕石のサイズを2~4cmに限定し、直径40㎝のドリルで回転させながら地盤を改良します。地盤を掘削したのち、ドリルを逆回転させて砕石を先端まで押し込んでいきます。

SFP工法

スクリューフリクションパイル工法のことで、小規模建築物向けの杭状地盤補強工法です。削孔径が確保されているケーシング内にセメントミルクを打設し、現地の土が混入しない品質の補強体築造が可能です。また腐植土のある地盤でも施工可能な点が大きな特徴です。先端支持力と周面摩擦力により、とても大きな支持力確保が叶います。

現地の土と混ぜないことで固化不良が発生しないため、品質の高さも魅力です。

コラムZ工法

中規模・大規模建築物向けの、スラリー系深層混合処理工法です。セメント固化材と現場の土を混合させて地盤を強化します。独自の面状吐出機能は、大口径で撹拌効率が高く、大きな支持力の柱状改良体が作れるでしょう。

今までは中規模・大規模向けの柱状改良工法となると、施工機が大きすぎてそのまま搬入できず、解体・組み立てが必要でした。品質のばらつきが出やすい、杭の本数が多いといった課題もありましたが、コラムZ工法はこれらの課題を解決でき、従来工法よりも品質も支持力も高くなります。また効率的なので、工期の短縮とともに費用も抑えられるでしょう。

TGパイル工法

TGパイル工法は、鋼管の先端にらせん状の先端翼と掘削刃を有する回転貫入鋼管杭工法です。集合住宅・ビル・倉庫など中規模建築向けの地盤改良で、小型施工機の使用により、狭小地でも施工ができます。

残土がほとんど出ないのも特徴で、セメント系固化材を使用した杭で懸念される固化不良や六価クロムなどの溶出の心配もありません。

まとめ

砂質土は状態によって液状化の可能性があるため、軟弱地盤であるという結果が出た場合は、調査内容をもとに適した改良方法を見つけましょう。

どのような地盤であるか、そしてどのような改良が必要であるかによって選ぶべき工法が異なります。不安なく建築物が建てられるように、改良を行っている業者に確認し、より効率的な改良方法を見つけることが大切です。