地盤調査の中にはAIを活用する方法があります。どのように活用されているのか、AIを活用するメリットともにご紹介する記事です。四国で地盤調査や地盤改良を検討されているなら、ぜひ参考にしてください。
AIを活用した地盤調査にはいくつかの種類がありますが、AIによる地盤解析は地盤沈下を効率的に進めるために役立っています。過去のデータを学習したAIに地盤解析データを照合させ、より精度の高い地盤解析結果を導き出すタイプです。
地盤調査ではサウンディングがよく用いられますが、AIによって土質定数を割り出す技術も開発されました。CPTとRSTで活用可能で、過去のサウンディングデータとボーリング調査結果、土質試験結果を学習させることにより、N値とFcを推定します。
標準貫入試験の結果を予測するためのAIも活用されています。周辺の地盤調査結果を学習させたAIを使って、N値、土質、地下水位を予測する技術です。データを学習したAIによって予測された数値は、技術者の経験則から割り出されたものよりも精度が高いとされています。
技術者が持つ技術をデータ化することにより、ボーリングをAIに行わせるものです。AIがデータを解析し、人が解析結果を確認する流れによって、ボーリング試験の効率化をはかります。
AIを活用した地盤調査における大きなメリットは、業務効率が向上して人が働きやすくなることにあります。建築業界では全国的に人手不足の傾向が強く、さらに人材の高齢化が進んでいるという問題があることも事実です。
人手が不足している部分をAIで補えれば、働き手への負担が軽減されるでしょう。AIは人よりも計算処理が早く、地盤調査における精度にも優れています。人材不足が深刻な建設業においてAIは、業務効率向上はもちろん、労働環境向上にも役立つでしょう。
※参照元:【PDF】労働政策研究・研修機構「建設業における人材の確保及び育成」(https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2015/08/020-024.pdf)
人為的ミスが少なくなることもメリットのひとつです。AIはデータに基づいて計算処理をして結果をはじき出すため、人のようなミスがありません。地盤調査におけるミスを減らせれば、その上に建設する建物の強固さも保証しやすくなります。
人が地盤調査を行うと、どうしても技術者の経験則による感覚的なものであったり、調査員の技術差によって判断基準があいまいになりがちです。その点AIであれば、判断基準がゆるぎません。基準が統一されることにより、品質の均一化をはかれるでしょう。
AIを活用した地盤調査が浸透していくと、事故の再発が防ぎやすくなると考えられます。不同沈下や地震のデータを学習させることにより、地盤解析をパターン化できるためです。過去のデータを参照しながら行われた地盤改良は、より一層の不安軽減につながります。
将来的にAIによる地盤調査が基本となれば、基準が統一されて地盤業界が透明化される効果も期待できます。人による調査・分析は、技術者の長年の勘によるところも大きいものです。しかしそれはあくまでも勘であり、基準として据えることは簡単ではありません。しかしAIによる調査であれば明確な基準が生じ、業界の透明化がはかれるようになります。
地盤調査や地盤改良は四国だけでなく、全国においてAIの導入が進んでいる分野です。これまで人の勘に頼ってきた部分をAIに任せられれば、基準が明確になり業界が透明化されるでしょう。また人材不足が深刻な職種であるだけに、働き手の負担軽減にも役立ちます。