地盤調査と建築基準法について

家などの建物を建築する際には「地盤調査」を行うのが一般的です。地盤調査を行うと手間や費用がかかりますが、法律上義務付けられているので「やらない」わけにはいきません。

地盤調査を義務付ける法律は「建築基準法(施行例)」です。この記事では地盤調査法と建築基準法の関係について解説します。

引用元:https://tochikatsunavi.com/amamori-ie-baikyaku2/

福谷陽子

【元弁護士・ライター】 保有資格:司法試験合格、簿記2級

京大法学部在学中に司法試験に合格。10年にわたる弁護士実務経験とライティングスキルを活かして不動産メディアや法律メディアで精力的に執筆中。不動産については売買、賃貸、契約違反、任意売却、投資、離婚、相続、解体や許認可等、あらゆる分野に精通している。弁護士からの信頼も厚く多くの法律事務所サイトの記事も手掛けており、監修案件も多数。You Tubeによる法律情報の発信や弁護士志望者のサポート活動も行っている。

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地盤調査とは

そもそも地盤調査とはどういったものなのか、簡単に確認しましょう。 地盤調査は建物などを建築したり建て替えたりする際、地盤が十分に強固かどうかを調べるための調査です。 土地上に建物を建てるには、地盤が一定以上固くなければなりません。建物の重さに耐えて沈下する力に抵抗しなければならないからです。軟弱な地盤の土地上に建物を建てると簡単に傾いてしまったり地震などで倒壊したりする危険が発生します。

地盤の固さが不十分な場合、地盤を強化する工事をしてからでないと建物を建築できません。地盤強化の工事を「地盤改良」と言います。

地盤調査と建築基準法

建物を建築する際には、地盤調査が法律上義務付けられています。 地盤調査を義務付ける法律は「建築基準法」とその「施行令」です。

従前の建築基準法は地盤調査を義務付けていませんでしたが、2000年に改正されて地盤調査が義務付けられるようになりました。阪神淡路大震災によって甚大な被害が発生したことへの反省にもとづく対応です。

地盤調査を義務付ける法律は、建築基準法施行令38条と93条です。

建築基準法施行令 第38条

  1. 建築物の基礎は、建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝え、かつ、地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない。
  2. 建築物には、異なる構造方法による基礎を併用してはならない。
  3. 建築物の基礎の構造は、建築物の構造、形態及び地盤の状況を考慮して国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとしなければならない。この場合において、高さ十三メートル又は延べ面積三千平方メートルを超える建築物で、当該建築物に作用する荷重が最下階の床面積一平方メートルにつき百キロニュートンを超えるものにあつては、基礎の底部(基礎ぐいを使用する場合にあつては、当該基礎ぐいの先端)を良好な地盤に達することとしなければならない。
  4. 前二項の規定は、建築物の基礎について国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によつて構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、適用しない。
  5. 打撃、圧力又は振動により設けられる基礎ぐいは、それを設ける際に作用する打撃力その他の外力に対して構造耐力上安全なものでなければならない。
  6. 建築物の基礎に木ぐいを使用する場合においては、その木ぐいは、平家建の木造の建築物に使用する場合を除き、常水面下にあるようにしなければならない。

建築基準法施行令 第93条

地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力は、 国土交通大臣が定める方法によって、地盤調査を行い、その結果に基づいて定めなければならない。

その上で、国土交通省告示1113号には具体的な地盤調査、地盤改良の方法などが定められています。

このように、地盤調査は法律上義務付けられるものなので、「やってもやらなくても良い」ものではありません。必ず適正な方法で実施する必要があります。

建て替えのケースでも地盤調査は必要

建物を建て替える場合、当初にその建物を建てたときに地盤調査が行われているはずです。そうだとすると、すでに地盤の強固さは確認されているはずなので、地盤調査が不要なようにも思えます。

しかし建て替えであっても建物を新規に建築するなら、やはり地盤調査をしなければなりません。建物を建築した当時とは事情が変わっている可能性もありますし、2000年以前の建物の場合には地盤調査が行われていない可能性もあるからです。

新規建築だけではなく建て替えの際にも必ず地盤調査を実施しましょう。

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地盤調査は建築基準法に則り行われるため、専門家の存在は不可欠。適切な地盤調査により、将来発生するかもしれないリスクを未然に防ぎ、トラブルのない建築計画を立てましょう。

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地盤調査の具体的な方法

法律上有効とされる基本的な地盤調査の方法として、以下の3種類があります。

ボーリング調査

ボーリング調査はもっとも基本的な地盤調査の手法です。大きなマンション建設や道路工事、擁壁の設置などの際にも適用できます。 作業には数日かかるケースもあり、大掛かりな規模となるのが一般的で、地中深い場所にまで調査が可能です。

SWS試験

SWS試験は、過去に「スウェーデン式サウンディング試験」とよばれていた地盤調査の手法です。手動式と半自動式、全自動式があり、全自動式なら半日程度で終わらせられるケースもあります。敷地全体の状態を確認できて費用もリーズナブルなのがメリットです。

平板載荷試験

平板載荷試験は、地盤に対して現実に建物の重量に相当する負荷をかけて沈下の度合いを測定する試験です。費用はそれなりにかかります。プレハブなどの簡易な建物を建てる際に適しているといえるでしょう。

地盤調査の結果、軟弱層であることが明らかになったり異常な結果となったりした場合には、地盤改良工事をしなければなりません。このようにして地盤の強固さが確認できてはじめて合法的に建物を建てられます。

地盤工事会社が不正をしていたら?

まれに地盤調査会社が不正を働いて地盤調査の結果をごまかしてしまうケースがみられます。2021年にも四国の地盤調査会社で不正が明らかになりました。

地盤調査会社の不正が発覚すると、地盤調査会社だけではなく発注した建築士にも法的責任が及ぶ可能性があります。建築士の立場としては、信頼できる地盤調査会社を選定することが極めて重要といえるでしょう。

信頼できる地盤調査会社を選ぶには、これまでの実績や評判などを確認すべきです。社歴が長く地元で信用を得ている会社であれば、信頼しやすいと考えられるでしょう。

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