「圧密試験」とは、地盤調査において沈下のリスクを算出するための試験です。リスクの高さを調査することで、建設する建物の耐久性を向上させる参考になります。
本記事では、圧密試験の概要や目的、方法について解説します。四国で地盤調査や地盤改良を検討している方に向けた情報としてご覧ください。
圧密試験とは、地盤から採取した土試料に圧力をかけ、その変化を測定する試験です。圧力をかけると、土試料が変形したり体積が変化したりします。
試験には三軸圧縮試験や一軸圧縮試験があり、土の沈下変化を測定するために圧密定数や圧密降伏応力を算出します。
得られた試験データを解析することで、地盤沈下のリスクを予測し、構造物の耐久性向上に活用できます。
圧密試験の目的は、将来の地盤沈下を予測することです。土地の上に建物を建てると、建物の重量が長期間にわたり地盤に加わることが想定されます。そこで、地盤が将来どのように変化するかを予測するために圧密試験を実施します。
地盤調査として圧密試験を実施した後は、試験結果を解析します。解析では、試験データから得られた圧密定数や圧密降伏応力を用いて圧密係数や圧密指数を算出します。また、試験データをグラフとして表示することで視覚的に理解しやすくなります。
まず、地盤から土試料を採取し、圧密リングに入れます。また、三軸圧縮試験機を用いて土試料を圧密する場合もあります。
試料を入れた後、圧密容器を組み立てます。圧密リングを多孔板の底部に置き、ガイドリングを取り付けます。その後、多孔板の加圧板を土試料の上部に設置します。
組み立てた圧密容器に変位計を取り付け、記録を開始する手順です。水浸容器の中に組み立て済みの圧密容器を入れ、載荷装置に組み込み、変位計を設置します。変位計の初期値を記録後、圧密を開始します。経過時間ごとに変位計の数値を記録し、24時間にわたる圧密を行います。
24時間経過後は、荷重を前段階の2倍に増加させ、最終段階まで試験を進めます。載荷とは、重量をかけて圧密を進める手順を指します。最終段階までの載荷が完了すると、試験は終了です。
圧密試験は、地盤沈下のリスクを予測して建物の耐久性を評価するうえで重要な試験です。将来の地盤変化を予測することで、建物に関連する潜在的なリスクを把握しやすくなります。四国で地盤調査や地盤改良を検討されているなら、ぜひ概要を把握しておきましょう。