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地盤保証で不同沈下が対象外になるケースを解説

不同沈下は建設事業者にとって、修復費用の発生や施主との関係構築において実務上のリスクとなります。地盤保証に加入している場合でも、特定の免責条項(対象外となる条件)によって保証が適用されない可能性があるため、各条項の正確な理解が求められます。

建築における地盤保証と「免責条項」の留意点

戸建て住宅が一方に傾く不同沈下事案のうち、原因の78%は盛土の締固め不足などの「地盤自体の沈下変形」によるものという分析があります(※1 データ時期記載なし、2026年5月調査時点)。

建設事業者が留意すべき地盤リスクと保証の実態は以下の通りです。

  • 国の制度である「瑕疵(かし)保険」については、地盤特約などを付帯している場合を除き、基礎下部分に起因する事故は原則として保証対象外(※2)
  • 瑕疵保険でカバーできない地盤リスクを補完するために、民間の地盤保証が利用されている
  • 民間の地盤保証であっても、事故発生時に「免責事項」に該当すると判断された場合、建設事業者が沈下修正工事費用を全額負担となる
  • 物件によっては沈下修正工事に、数千万円単位の費用が発生する恐れがある(※2)
※1参照元:千葉県公式ホームページ/【PDF】戸建て住宅 不同沈下原因の概要分析(https://www.pref.chiba.lg.jp/kenchiku/taishinkaishuu/documents/ekj-kosyu-5-1-3-h28.pdf
※2参照元:Zaiju Biz(https://zaijubiz.jp/column/2024-12-12/

【注意点1】傾斜角の基準による免責と対応上の課題

地盤保証には修復費用の支払い対象となる「傾斜角」の基準があり、多くの保証サービスでは「5/1000以上(10mに対し5cmの沈下)」が発動条件です。一方、入居者は3/1000程度で建具の不具合等から異常に気づき始める傾向があります 。

基準が5/1000以上の場合、沈下を認識していても基準値に達するまで保証が適用されない「空白期間」が生じます。不同沈下は時間をかけて進行するため、基準に達するまで待機を強いる対応は施主とのトラブルに直結します。実務上の顧客対応を考慮し、現場の実態に即した基準であるかを見極めることが重要です。

※参照元:Zaiju Biz(https://zaijubiz.jp/column/2024-12-12/

【注意点2】擁壁起因や非住宅での不同沈下における無保証リスク

原因や建物用途による免責規定にも注意が必要です。擁壁の老朽化や施工不良に起因する不同沈下は、保証で対象外となることがあります。擁壁の存在を前提とした設計は不可欠であり、事故の際は設計上の過失を問われ事業者の不法行為責任として損害賠償に発展する可能性も否定できません。

また、建物用途による制限も確認すべき項目です。一般的な地盤保証は「戸建て住宅」を対象としており、アパートや店舗等の非住宅は対象外の場合もあります。非住宅は建物重量により沈下修正費用が高額化しやすいため、無保証状態での事故は事業者の大きな負担となります。物件の用途や立地がカバー範囲内にあるかの確認は必須です。

※参照元:Zaiju Biz(https://zaijubiz.jp/column/2024-12-12/

まとめ

「傾斜角の基準値」や「擁壁起因の事故への対応」、「非住宅物件のカバー範囲」といった細かな規定は、保証会社によって異なります。着工後に生じうる事業者の金銭的負担を抑え、施主への対応を滞りなく進めるためには、事前に免責事項の範囲を正確に把握しておくことが有効な対策です。

保証内容に少しでも不安がある場合は、免責リスクに精通し、実務を広くカバーする手厚い保証サービスを扱う地盤調査会社へ相談することをお勧めします。