地盤改良の施工管理とは?

地盤改良工事では、工法や施工方法を決めるだけでなく、施工計画に沿って工事が進められているかを確認する施工管理も重要です。

本記事では、施工位置や深度、使用材料、施工機械などの主な管理項目を中心に解説。さらに、施工中の確認ポイントや重要な施工記録、発注時の確認事項まで、現場の実務に役立つ情報を整理しています。

このページで分かること

  • 地盤改良における施工管理の考え方と、品質管理との関係
  • 地盤改良工事で確認したい主な施工管理項目
  • 施工中に計画との差異や異常を確認するポイント
  • 施工記録や施工写真を残す際の確認ポイント
  • 地盤改良工事を発注する際に事前確認しておきたい事項

地盤改良の施工管理とは

地盤改良における施工管理とは、設計や事前の施工計画に沿って工事を正確に進めるための現場管理プロセスです。具体的には、施工位置や深度、使用材料、施工条件などを確認しながら作業を進めます。施工完了後には地中の改良体を直接見ることができないため、工程ごとに施工結果を記録し、後からでも内容を確認できる状態に整えることが求められます。

施工管理と品質管理の関係

施工管理は、工程や施工位置、使用材料、記録など、工事全体を計画通りに進めるための幅広い管理を指します。一方の品質管理は、その中に含まれる一つの要素として位置づけられます。

地盤改良工事で確認したい主な施工管理項目

地盤改良工事の施工段階では、計画に基づいた正確な施工が行われているかを確認します。すべての工法に共通する固定的な基準があるわけではなく、工法や設計、施工計画によって管理方法は異なります。

ここでは主に確認したい6つの項目を解説していきます。

施工位置・改良範囲

改良体の平面位置や範囲が、設計上の位置と一致しているかを確認します。設計位置からの偏心や基礎との位置関係など、必要に応じた現場との照合が基本です。

施工深度・改良長

設計や施工計画で定めた改良深度や改良長が確保されているかを確認します。深度の確認方法は、適用する工法や施工条件に応じて異なるため、施工計画などで事前に確認しておくとよいでしょう。

使用する材料・固化材

使用する材料や固化材の種類、使用量、保管状態が計画通りかを確認します。水粉体比などの指標は、該当する工法において個別にチェックする項目となります。

施工機械・施工条件

機械の据付状態や鉛直性が計画条件を満たしているかを確認します。回転数や注入圧力、掘進・引上げ速度などは工法によって異なるため、施工計画などで事前に確認しておく必要があります。

施工数量・工程

計画された日々の施工本数や数量が予定通りに進んでいるかを確認します。進捗を記録することで、全体工程に遅延や変更が生じていないかを正しく追跡できます。

施工記録・写真

各改良体のデータや現場状況を、後から確認できるよう記録します。施工管理システム等で取得したデータのほか、材料搬入から施工後までの写真撮影も重要です。

地盤改良の施工中に確認したいポイント

施工中には、実際の作業が計画通りに行われているかを継続的に確認が必要です、ここでは、計画値との差異や異常発生時の対応に焦点を当てて確認ポイントを整理します。

施工計画と実際の施工内容に差がないか

施工計画書で定めた条件と、実際の施工データに差異がないかを確認します。吐出量や施工深度、回転数など、工法に応じた施工条件の実績値を照合してください。

設計・施工計画上の条件を満たしているか

設計上の改良範囲や条件をクリアしているかを確認します。支持層への到達確認が必要な工法の場合は、該当する施工データを用いて到達を判定することが求められます。

異常や変更が発生した場合の記録

想定外の土質や地下水、埋設物、機械の不具合が発生した場合、その状況を正確に記録します。不測の事態に対してどのように判断し対処したかの経緯を残しておくことが大切です。

地盤改良の施工管理で残しておきたい記録

施工完了後には地中の改良体を直接見ることができません。そのため、工事の実態を示す記録を適切に保存しておくことが重要です。ここでは、施工管理上どのような記録を残すとよいかについて解説しましょう。

施工記録

施工日報や各改良体のデータ、施工条件など、工事の実績を示す記録を残します。施工管理システム等による自動計測データを含め、日々の進捗と結果を保存することが基本です。

施工写真

着工前から材料搬入、機械の設置、施工中、完了後まで、各工程の状況を写真に収めます。どの写真を残すべきかは工法や発注条件、管理基準によって異なるため、事前に確認しておく必要があります。

試験・検査結果との紐づけ

施工記録と各種の試験・検査結果を、改良体の位置番号などで照合できるように整理します。記録同士を追跡可能な状態に保つことで、後からの確認作業をスムーズに行えます。

地盤改良工事を発注するときの施工管理上の確認事項

発注者の立場から工事を依頼する際は、着工前に施工会社との間で認識を合わせておくことが重要です。施工後にトラブルとならないよう、事前に確認すべき事項を整理します。

施工内容を事前に明確にする

工法や施工範囲、深度、使用材料、管理基準などが記載された施工計画書を確認します。発注者と施工会社の間で認識のズレを防ぎ、施工条件や管理方法を共有するためです。

施工記録の提出方法を確認する

工事完了後に提出される施工記録や写真、データの種類、提出時期、形式を発注前に確認します。提出される記録の範囲を明確にしておくことで、完了後の手続きが円滑になります。

誰が管理・確認するのかを明確にする

元請けの現場管理者や施工会社、協力会社の間で、確認範囲や立会いの有無を整理します。誰がどのタイミングで何を確認するのかを事前に決めておくことで、確認漏れや関係者間の認識のずれを防ぎやすくなります。

まとめ

地盤改良における施工管理は、設計や施工計画に沿って工事が進められているかを確認し、その施工状況を記録するための重要なプロセスです。発注者や工事管理を担う側も、施工会社がどのような項目を管理し、どのような記録を残しているのかを把握しておくことで、施工内容を確認しやすくなります。

また、施工位置や深度、材料、施工条件などを継続的に確認することで、施工中に計画との差異や異常が生じた場合にも、状況に応じた対応を検討しやすくなります。施工内容や確認方法、記録の扱いを事前に整理し、施工会社と認識を共有しておくことが、施工後の確認やトラブル防止にもつながります。

よくある質問(Q&A)

Q1. 地盤改良に施工管理は必要ですか?

A. 地盤改良工事では、施工計画に沿って工事が進められているかを確認し、施工状況を記録として残すことが重要です。具体的な管理項目や方法は、工法や施工条件によって異なります。

Q2. 地盤改良の施工管理では何を確認しますか?

A. 施工位置・改良範囲、深度、使用材料、施工機械や施工条件、施工数量・工程、施工記録などを確認します。ただし実際の確認項目や基準は、工法や設計・施工計画によって異なります。

Q3. 地盤改良の施工管理で施工記録はなぜ必要ですか?

A. 施工後には地中の改良体を直接確認できないため、施工時の実績データや写真などを残しておくことで、工事内容を後から確認しやすくなります。

Q4. 施工管理と品質管理は何が違いますか?

A. 施工管理は、工程や施工位置、使用材料、施工記録など、工事全体を計画に沿って進めるための幅広い管理を指します。一方、品質管理は、設計や仕様で求められる品質・性能を満たしているかを確認するための管理です。品質管理は施工管理の一部として扱われる場合もあり、両者は密接に関係しています。

Q5. 地盤改良工事を発注するときに確認することはありますか?

A. 施工内容、管理基準、施工記録の種類・提出時期、立会や確認の方法などを、着工前に施工会社と確認しておくと、工事後の確認も行いやすくなります。